工場などで幅広い目的で使用されている計測器。作りが複雑な精密機器であるがゆえ、扱いに慎重になっている方がほとんどでしょう。これらの計測器の定期的な検査、校正。定期的にチェックをすることで、計測器に狂いがないかなどを調べます。ここで問題が見つかれば、その測定器を直したり、取り替えたりする必要が生じます。
ところで、この校正作業は誰が行っているかご存知でしょうか。自社の中で、校正する人を決めて点検しているところもあります。もしきちんと認定を受けた業者に依頼したいという場合は、JCSS認定の校正業者に連絡してみてはいかがでしょうか。
第三者の視点で客観的に検査ができるため、安全で安心できる方法です。厳しい計量基準を設けて校正を行うので、証明書が出ればより企業にとっても安全性の証明となります。特に、使いはじめてからかなりの年数が経過している測定器や、保存環境があまり適切でなかったもの、長らく使っていなかったが久しぶりに使用することになったものなど、精度や機能の確認は必須です。思いも寄らぬ誤差が生じている可能性もあります。校正サービスを提供している登録事業者は全国に複数ありますので、気軽に依頼してみることをおすすめします。
計測器の校正管理は、製品品質を保証する上で重要な管理項目ですが、校正が規格を満足したといってその後の精度を保証するものではありません。校正結果は、前回の校正から直近の校正実施の間で計測器の測定精度の問題がないことを示すだけです。そのため、校正実施後に利用する上では、過去の校正結果のデータ傾向を分析そして管理するのが重要になります。
実施した校正結果において、規格ギリギリもしくは規格値と同じという場合、前回および前々回の校正も同様のデータであったかのチェックが必要です。もし、過去のデータと数値の変動がない場合、その後も日常管理を徹底して行うことで測定結果に注意しながら製品検査を進めることが出来ます。
ですが、校正結果は規格内であったものの、前回の校正結果に比べ大きく数値が変動している場合、計測器の精度が直ぐ規格内から外れるリスクがあります。そのため、このような傾向が見られた場合、製品品質を保証する上で、製造工程や検査工程への払い出しは中止するのがポイントになります。
電気計測器の場合、実物を直接測定するマイクロメータやノギス、鋼製直尺やダイヤルゲージに比べ、電子部品が急激に劣化し測定精度が変化する可能性があるため、校正を行う際は尤度を考慮して、実際の規格限界値に対して社内基準を設けて外部依頼することがおすすめです。これならば、内規を外れても製品品質への影響リスクは軽減出来ます。